神職養成講習会
山口県神社庁では毎年夏、「神職養成講習会」を開催します。
読んで字の如く、神主さんを養成する講習会で、
神職資格の取得を志す人達が、神社奉仕の基礎・基本を学び、合格を目指します。
神職の資格には「階位」という区分があり、直階・権正階・正階・明階・浄階の
5段階に分けられます。
本講習会では、直階(ちょっかい)と権正階(ごんせいかい)の課程があり、
直階は神職の基礎課程、権正階は直階を取得してから受講できる次の課程です。
直階取得で神職として奉仕はできますが、権正階以上の資格がないと宮司にはなれない
という規程になっています。
今年の会期は7月26日から8月26日で、北は宮城県・南は沖縄県から、
39名の受講生が熱心に参加しています。
私も講師の一人として、この時期は度々講習会に通いますが、
教える側という責任感と使命感、そして受講生の熱心な姿勢に触れることで
自らの襟を正す機会ともなって、とても清々しい時間です。
受講生は、毎朝、日供祭(にっくさい)を奉仕します。
合宿なので、祭典の行事・作法などの実技もしっかり学べます。
講義、実技、試験と、忙しい毎日の一ヶ月ですが、毎年伊勢の神宮へも参拝に
出かけ、今年は「お白石持ち行事」の奉仕にまいります。
「神主さんには、どうしたらなれるんですか?」という質問を、たまに受けます。
もちろん自分の宗旨を神道とすることは必要最低条件となりますが、
こうした養成講習会で資格を得る他に、2年間神職養成機関で学んだり、4年間
大学の神道部で学んで、資格を取得する方法があります。
日本の文化や精神の背骨である「神道」。
日本人の心のふるさとである「神社」。
講習会の受講生は、神社に縁の人がほとんどで、資格取得後の奉仕神社が決まって
いますが、大学などで資格を取得する人は、神道への興味や神社好きが高じて、
神職の道を志す人も珍しくありません。
神道の世界、神社の奉仕に関心のある方、お近くの神社をお訪ね下さい。