「みんな」のことを祈る世の中に
9月17日、伊勢の神宮では「神宮大麻頒布始祭」(じんぐうたいまはんぷはじめさい)が斎行されました。ここに各県神社庁長が参列し、神宮よりお札を授かって帰ります。
山口県神社庁では、10月10日に「神宮大麻頒布始奉告祭」(じんぐうたいまはんぷはじめほうこくさい)を斎行しました。ここに県内の支部長が参列し、写真のように神社庁長より支部長がお札を授かって帰りました。
当神社の所属する周南支部では、10月24日に「神宮大麻頒布始奉告祭」を斎行の予定で、支部内神社の宮司と総代が参列し支部長よりお札を授かって帰り、その後各神社でも「神宮大麻頒布始奉告祭」を斎行してお伊勢様のお札「神宮大麻」の氏子内への授与が開始されるのです。
こうした「神宮大麻」のお祭りが始まると、いよいよ年末年始が近づきつつあることを感じますが、来年は「令和最初のお正月」を迎えます。
新年に「お伊勢様のお札」と「氏神様のお札」を家庭や会社にまつり、一年の家庭の平安、会社の安全を祈ることは、日本の新年の美はしい伝統であります。しかし近年は、神社で「お守り」は受けるけど「お札」は受けていない、という方も多いのではないかと想像します。
「お守り」は個人を守ってもらおうと祈るもの、「お札」は家庭または会社などそこに集う「みんな」を守ってもらおうと祈るもの。そして「みんな」の願いを集める場所、という役割の違いがあります。
共同体意識が希薄になった、家族の絆が弱くなった、などと言われる昨今。「自分さえよければ」という風潮がはびこっていることが、様々な事件やトラブルを引き起こす原因であるとも言われます。
こうした風潮を無くしていくためにも家庭や会社に「お札」をまつることが大事だと私は思います。自分だけでなく「みんな」のことを祈るという気持ちを育むことはより良き世の中の土台になるでしょう。そして日本の平安を祈ることに通じるでしょう。
令和を美はしい時代とするために、「みんな」のことを祈る世の中になるために、令和最初のお正月から「お札」をまつる家庭や会社が増えることを願っています。