今も昔も疫病は鬼
今年の一月は寒い日が多かったように感じますが、明日はもう立春です。
今朝、本殿向拝の柱に紙垂をつけた柊の枝を取り付けました。神様のいらっしゃる神社の本殿にはさすがに鬼も入ってこられませんが、お参りされる皆さんの家に鬼がやって来ないことを願いつつ。
さて、1年の境目である節分に厄を祓う行事は、伝統行事として広く親しまれていますが、その起源は疫病退散なんです。
節分の行事は、飛鳥時代に大陸から伝わったとされていて、『続日本紀』という古い書物に「文武天皇の御代に全国で疫病が蔓延し、初めて宮中で大儺(たいな)という鬼を祓う儀式が行われた」とあるからで、方相氏(ほうそうし)という行事の主役が、四つ目の仮面をかぶりホコとタテを持って仮装した鬼役を追い払うという行事でした。
それが方相氏の仮面が怖かったからか、先頭を行く方相氏が追われているように見られたからか・・・平安時代には逆に方相氏が鬼と見なされるようになってしまったようです。鬼を追う役が鬼の役になったというのも、目に見えない鬼をめぐるユニークなお話しですね。
鬼とは災いをもたらす悪霊であり邪気のこと。今年の鬼はまさに疫病、コロナですよね。
今年の節分は、全集中で、この鬼を追い払いましょう!