夏越(なごし)の祓い
今年も、早、水無月を迎えました。
6月中、境内に「茅の輪」(ちのわ)と「人形」(ひとがた)を設置しております。
半年間の罪穢れを人形にうつし、茅の輪をくぐり、無事夏が越せるようにお参りください。
6月1日の月次祭では、参列の皆さんに「蘇民将来(そみんしょうらい)と茅の輪」のお話しを紹介しました。
『備後の国の風土記』にあるお話しです。
昔、武塔神(ムトウシン)という神が旅の途中、日が暮れてしまった。
その地には蘇民将来(ソミンショウライ)・巨旦将来(コタンショウライ)という兄弟がおり、兄の蘇民はとても貧しく、反対に弟の巨旦はとても裕福であった。
武塔神は弟の巨旦の家に行き一夜の宿を請うた。
しかし、巨旦は質素な旅装束に身を包む武塔神を家に入れなかった。
それを見ていた蘇民は武塔神を家に招き入れ、貧しいながらも精一杯もてなした。
そうして翌朝、武塔神は無事に旅立って行った。
それから数年後、蘇民のもとを武塔神が訪れた。
武塔神は「あの時は大層世話になったので礼がしたい。お前の子孫はこの家にいるのか」と言った。
蘇民は「私には妻と娘一人がおります」と答えると、武塔神は「ならば茅草で輪を作り、
その茅の輪を家族の腰に着けさせよ」と言い残し立ち去って行った。
蘇民は、武塔神の言葉通りに茅の輪を作り娘の腰に着けさせた。
そうしたところその晩に疫病が発生し、茅の輪を着けていた蘇民の娘一人を除いて人々はことごとく死んでいった。
生き残った娘のもとに再び武塔神が現れこう言った。
「私は、武塔神と名乗っているが須佐之男(スサノオ)の神である。
後の世に疫病が発生したならば、『蘇民将来の子孫だ』と言って茅の輪を腰に着けるように。
そうすればこれから先も、疫病の難を逃れることができるであろう」
「茅の輪」くぐりには、こうした由来があるのです。
夏越の大祓いに、どうぞお参りください。
人形祈願と茅の輪くぐり 6月中 終日
夏越の大祓い神事 6月30日 午後4時
厄除菓子「水無月」の接待 6月30日 午後1時から5時