神宮の神嘗祭
秋の台風襲来で、またも各地に被害がもたされました。
幸いにも当地は被害なく通過しましたが、大いなる生命の恵みと共に、
大きな災害をももたらす自然の驚異に対しては、人は備えることと、
じっと祈ることしかできない、ということを改めて感じさせられます。
さて、その台風一過で朝晩は急に寒くなりました。
いよいよ秋も深まりつつありますが、10月17日には、伊勢の神宮で年中最大の重儀である
「神嘗祭」(カンナメサイ)が厳粛に執り行われます。
神嘗祭は、神代に稲穂を授けられた「天照大御神」(アマテラスオオミカミ)に、
秋の新穀を奉り収穫に感謝するお祭りです。
神宮では、装束や祭器具を一新しての奉仕で、「神宮の正月」と言われるほど
一年で最も大切なお祭りです。
宮中においても、神嘗祭当日、天皇陛下は神宮へ勅使を遣わされお供えを奉られ、
神宮を遥拝されて、「神嘗祭賢所の儀」をご奉仕になられます。
またこの日、全国各地の神社においても、「神嘗奉祝祭」を執り行います。
そして神嘗祭には、初穂を束ねた「懸税」(カケチカラ)が全国各地から奉納され、
宮中で天皇陛下がお田植し収穫された初穂の「懸税」と共に、神宮の玉垣に懸けられます。
当宮でも、境内のプランターで育てたイセヒカリの初穂を「懸税」として2本、拝殿向拝の柱に
お供えしました。そして17日には「神嘗奉祝祭」を執り行います。
こうして、神宮、宮中、全国の神社で、天照大御神へ収穫感謝の祭りが執り行われることは、
お米の国日本、お米に感謝する日本人の、美しい伝統であり精神です。
もう今年の新米も出回っていますが、どうぞ感謝の気持ちをもって頂きましょう。