貴船神社
貴船祭りと呼ばれる、粭島(すくもじま)貴船神社の夏祭り。
例年、旧暦の6月10に近い日曜日に行われます。
ご年配の総代さんから伺っても、この日はほとんど雨は降らないとか。
今年も良い天気、そして5年ぶりに伝馬船が出るということもあり、
たくさんのカメラマンなどで島の夏祭りは盛り上がりました。
伝馬船の上では、華やかなボンデン踊り
御旅所に向かって伝馬船が神輿を先導します
さて、この島になぜ貴船さんがお祀りしてあるのか?
神社の創建が不詳なだけに、実は謎に包まれています。
この日も、カメラマンの方に質問を受けました。
一般的に海の神様といえば、住吉さんとか金比羅さんを想像します。
貴船神社の総本社は、京都の北の山の中に鎮座する有名な「水の神様」。
鞍馬や貴船は京都の奥座で、夏の川床で頂く鮎料理はとても有名です。
夏でもそのくらい涼しい、清流流れる山の中。
なにせ、鞍馬天狗が出るくらいですから。
「貴船」の由来は、黄色い船に乗った神様のお告げにより、淀川・鴨川を船で
さかのぼり、行き着いた源流の山奥に神様を祀ったので、そこが「黄船」、
「貴船」となったという伝説があり、古くから航海安全の信仰もあるそうです。
貴船神社HP http://kibune.jp/jinja/history/
しかし、航海安全の信仰で貴船神社を祀ったにしても、遠い京の都の話し。
そこで、平家の落人伝説が結びつきます。
源平の戦に敗れた平家一門は、山奥や島に身を潜めて暮らしたとも伝えられて
います。
かつて、平家の落人達が島に住むようになり、京の都を偲んで、航海安全の
信仰のある「貴船の神」を祀ったのではないか、という説も成り立ちそうです。
粭島の貴船神社の社紋が「赤い扇」なのも、「平家」との因縁を感じさせませんか。
さらに、落人伝説のある場所は、同じ性の方が多いという共通点もあります。
粭島は、「石丸」「末田」「高松」という性が多く、御三家と呼ばれていて、
祭りでも、この御三家の本家筋の家が、順番で神輿の先導役である「御幣持ち」
を務めるという決まりがあります。
遠石八幡宮責任役員の石丸柳平さんは、祭りの「御幣持ち」を引き継いでおられる
家の一つで、今年もご長男が帰郷して「御幣持ち」を務められました。
御年91歳、粭島に思いの深い石丸さんです
毎年、「祭りの後で家に寄って下さいよ」、と熱心にお誘い頂くので、
今年も奥様手作りの祭り寿司をご馳走になって帰った次第です。