キャリア教育
数年前から、中学校では「キャリア教育」という教育方針が掲げられている。
一般の方には耳慣れない言葉だと思うが、文科省の肝煎りで、
私が学校評議員をしている学校でも、熱心に取り組んでおられる。
その背景には、いわゆるニートやフリーターの増加といった社会問題もあるようだ。
だが、子供や若者を教育する前に、今の親の意識はいかがなものだろうか?
何が楽な仕事か、何が給料の多い仕事か、そんな価値判断しか持たれていない
のではないだろうか?
こうした大人の意識こそが、問題の根っこのような気がしている。
学校でお話しをしながら、いろいろ思うところがあった。
楽な仕事につくことや、遊んで暮らすような人生が、本当の幸せではないことを、
働きながら子供より長く生きてきた親は、子供に伝えなければならないと思う。
家庭で「今日は仕事でこんなことがあって嬉しかった」ということを、
お父さん自身が口にしにくければ、お母さんの口から伝えてあげられないだろうか。
親が働く姿を、子供が見る機会が少なくなったのだから・・・
もちろん「働くことの意味」を子供が学ぶことはとても大切だと思う。
それを知って、世の中に出てほしいと思う。
学校では、すばらしい仕事をした先人の「伝記」を、ぜひ学ばせてほしい。
例年「職場体験学習」で当宮にやってくる生徒には、私流にこう伝えている。
仕事するということの意味は、給料をもらうというではないですよ。
どんな仕事であれ、その仕事を通じて、あなたが世の中に役立つことが、
仕事をすることの本当の意味ですよ.。
中学生どころではなく、わが職場の新入職員へも研修でこのことを伝えている。
「キャリア教育」とは、世の中の役に立つ人、となるための教育ともいえる。
そう思うと、学校だけでなく、職場でも行うべきもののように思えた。