御霊のゆくえ

人が亡くなると、故人の御霊みたまはどこに行くのでしょうか
これは日本人が古の時から今日にいたるまで、抱いてきた問いです。
神話の中では高天原たかまのはら黄泉よみの国、根の国など、さまざまな表現で語られてきました。
例えば御霊は遠いどこかに行くのではなく、「ただそばにとどまり続ける」と考えられるのが幽世かくりよです。
故人の御霊は私たちが会いたいと願うとき、いつでも来てくれるものだという、優しく温かなとらえ方です。
幽世は私たちのふるさとと生活とに繋がるところ。
故人の御霊はいつでも私たちのそばにあり、子孫の暮らしを見守っているのです。

神葬祭

私たち命あるものは何人といえども死を免れることは出来ません。
肉親の死などに直面した時、私たちは悲しみの中、故人を見送りますが、その際様々な儀式を行います。
仏教には仏教式の、キリスト教にはキリスト教式の葬儀があります。
神葬祭は神道の儀礼にのっとった葬儀で、日本固有の葬法を土台に整えられたものです。

神葬祭の特徴は
●厳かで慎み深く簡素である
●地域の氏神さまとかかわりを持てる
●子孫や地域の方にも思いを引き継げる
などがあります。

現在日本の多くの葬式は仏式にて行われておりますが、
明治時代より神道式の葬式が一般的に認められることになり、
以後今日にいたるまで少しずつ増えてきました。
これまで神道家で無い方も、神道式を希望される方は、
神葬祭をお受けすることが可能です。

神葬祭の流れ

1日目
通夜祭 つやさい
通夜祭では、家族や生前親しかった人が集まり、夜通し故人を偲びます。
本来通夜祭は故人の蘇りを祈るものでした。
かつて酒宴を設ける地方があったのも、故人とともに食事をとることで、
御霊を遺体に引き戻そうとしたからです。

2日目
葬場祭 そうじょうさい
ひつぎ前の祭壇を飾り付け、神饌しんせんをお供えし、斎主さいしゅ(神職)が故人の人柄や経歴、
功績をたたえ、今後は祖霊の御霊と共に喪家と遺族を見守ってくれるようにとの願いを込めた祭詞さいしを奏上します。

火葬祭 かそうさい
故人との最後のお別れを行う儀式です。
最後に参列者、会葬者が一人一人玉串拝礼をして故人との訣別を行い、
安らかな死後を祈り、霊柩を奉じ、葬列を整え、焼骨します。

帰家祭・十日祭 きかさい・とうかさい
焼骨を終えて、遺骨をご自宅や斎場に持ち帰り、無事に神葬祭を終えたことを報告するお祭りです。
また当宮では併せて十日祭を斎行します。

 

神葬祭後について

五十日祭・納骨祭 ごじゅうにちさい・のうこつさい
故人がお亡くなりになった日を1日目と数え、50日頃に五十日祭を行います。
この五十日祭を終えて忌明けとなり、平常に戻り神社にお参り頂けるようになります。
その後、納骨祭を行い、お墓にお骨をお納めします。

〇年祭 ねんさい
神道では一年祭、三年祭、五年祭、十年祭、三十年祭、五十年祭を行い、
各年の命日にはお祭りをする必要があります。
また五十年祭をもって「祭り上げ」となり、無くなられた方の御霊は清められて、祖霊と一体となると考えられています。

 

よくあるご質問

(質問)玉串料(お供え)は、おいくらぐらいお包みすればよいですか?
(回答)当宮では通夜祭、葬場祭、火葬祭、帰家祭・十日祭合わせての奉仕料をお納めいただいております。
(家族葬から葬儀の規模に応じてお願いしております)

(質問)氏子区域外の者ですが、遠石八幡宮で神葬祭をお願いしてもよろしいですか?
(回答)すでに当宮の神道家の方でしたら大丈夫です。
まだ神道家でない方は、まずは故人がお住みだった氏神さまの神社にご依頼ください。
氏神さまの神社にお願いできない場合は当宮にご相談ください。